「施主支給」という言葉を聞いたことはありますか?
実はリフォームコストを下げられる手法なのですが、意外なトラブルも増えているので、施主支給の特徴や注意点をお伝えします。
施主支給とは
施主支給とは、リフォームを依頼するあなた(施主)が、材料や設備、インテリアパーツなどを注文して取り寄せることです。
インターネットで設備機器やインテリアパーツの値段を比較した上で手軽に取り寄せられますし、工務店を通して購入する際にかかる手間賃をカットできるので、コストダウンの方法として一気に普及しました。
好みの設備やパーツを選べるのもメリット。
工務店では扱っていないメーカーのものも自由に取り入れられます。
ただ施主支給をスムーズにするためには、工務店との綿密な打ち合わせが不可欠です。
- 何をどれだけ発注するのか?
- 誰がいつ受け取るのか?
- 誰がいつ検品するのか?
など、リフォーム工事に遅れを出さないようにするために、スケジュール管理をマメに行う必要があります。
トラブル事例から学ぶ「施主支給」成功のコツ
では施主支給の「難易度」と「コストダウン度」をポイントに、6つの事例をご紹介します。
建材
コストダウン ★★★☆☆
難易度 ★★★★★
フローリングなどの木材は数量を決めるのが大変難しいので、施主支給はおすすめしません。
平面図から床材の数量を割り出すのはプロならではの至難の業です。
基本的に面積の1割増しで発注しますが、それでもロスが出てしまったり、不足のために追加発注~工事の遅れが発生したりというケースがあります。
また木材の反りや節の入り方など木材の質もプロにみてもらった方が安心です。
システムキッチンとユニットバス
コストダウン ★★★★☆
難易度 ★★★★★
キッチンや浴室は配管などが複雑なため、施工者との綿密な連携が必要です。
オススメはまずショールームで見積書を作ってもらい、それを施工者に見せて一式に含まれる内容を伝えることです。
品番が分かれば同じものをインターネットで探し安く購入できます。
ショールームを賢く活用して工務店としっかりすり合わせをしましょう!
トイレ、洗面台、水栓金具
コストダウン ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
衛生設備の施主支給は大きくコストダウンできる一方、発注や検品が難しいので、設計者や工務店に相談をしましょう。
注文書の「一式」に何が含まれているのかすり合わせをしないと、備品の不足や重複が生じる恐れもあります。
トラブルを防ぐためにはプロのアドバイスが必須です。
建具
コストダウン ★★★☆☆
難易度 ★★★☆☆
窓やドアなどの建具は、枠、ハンドル、蝶番などのパーツがどこまで含まれているかをチェックします。
輸入建具の場合、JAS企画で定められたホルムアルデヒドの等級を取得していないものもあります。
接着剤などに有害物質が含まれていないかも要確認です。
置き畳
コストダウン ★★★★☆
難易度 ★☆☆☆☆
ホームセンターなどで見かける置き畳。
1枚3,000円ほどと安く、洋室に敷き詰めるだけで和の空間ができ、外せば簡単に洋室に戻せます。
手軽に取り入れられて、将来の模様替えも簡単です。
ただし部屋の面積にサイズはぴったり合わせるのが困難なので、大工さんに頼んで、周囲を板張りにしてもらうなど工夫するといいです。
照明
コストダウン ★★☆☆☆
難易度 ★☆☆☆☆
照明のシェードはアンティークなど好みのものを自由に選べることから、施主支給の人気ナンバーワン!
気をつけたいのはコードやソケットなど出火の恐れがあるパーツです。
国内の安全基準クリアした製品には「PSEマーク」がつけられているので、安全性のチェックだけはしっかりしましょう。
施主支給したものにトラブルが発生した場合の対処法は?
もしも施主支給したものに不具合があった場合は、工務店ではなく、販売店に直接問い合わせて対処する必要があります。
輸入品を購入する場合は、国内に代理店があるメーカーを選ぶと、やりとりがスムーズにできて安心です。