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耐震リフォームしたい!費用の相場と家族を守るための6つのポイント

耐震リフォーム

日本は地震大国なので、耐震リフォームも重要です。

この記事では、耐震リフォーム費用とポイントについてお伝えします。

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耐震リフォームのコツは「頭」を軽くすること

耐震リフォームのコツ

耐震性アップのポイントは、屋根の素材を変えて、家の「頭」を軽くすることです。

たとえば陶器瓦を金属瓦にすると、重さは約1/10となり、倒壊の可能性がグッと低くなります。

リフォームする家の新築当時の耐震基準が現在とは異なるケースも多いので、基礎部分の補強は限界がありますが、すじかいのある構造壁にさらに構造用合板を張って「面」を強くするのも一つの方法です。

構造壁の量だけでなく、バランスの良い配置も大切になるので、専門家にきちんと耐震診断をしてもらってからリフォームプランを練り始めてください。

1階だけ補強する

耐震リフォーム費用を抑えるコツ

リフォーム予算には限りがありますし、耐震リフォーム以外に、キッチンリフォームや浴室リフォームなどの希望もあるはず。

そんな時は「人命を守る」ことに焦点を絞り、1階だけ補強工事するのも選択肢の一つです。

柱と土台を金物でしっかり固定すると、「ほぞ抜け」による倒壊を防げます。

また柱と梁を特殊な樹脂で接合する耐震フレーム

すじかいの代わりに建物の歪みを防ぎ、広い空間(広々としたワンルーム)も作れるようになります。

耐震フレームは古材で覆って空間に馴染ませると、デザイン性も邪魔しません。

耐震リフォーム費用はいくらが相場?

耐震リフォーム費用の相場

耐震リフォーム費用は

  • 耐震診断
  • 施工面積
  • 劣化度合

などで大きく変わってきますが、目安としては下表を参考にしてください。

スレート屋根の塗装(戸建て)20~50万円
シロアリ防止処理(戸建て)20~50万円
外壁材の張り替え50~100万円
耐震補強(金物使用・戸建て)50~100万円
瓦屋根の交換100~300万円
耐震補強(基礎から・戸建て)100~300万円

耐震診断費用はいくら?

中古一戸建てリフォームの場合、いざ解体してみたら劣化が激しく、耐震補強が必要で追加費用が発生するケースも珍しくありません。

そんな事態を防ぐためにも、費用は10万円前後かかりますが、事前診断はおすすめです。

RC造(鉄筋コンクリート造)で延床面積が1000~3000㎡の建物で、約1,000円~約2,500 円/㎡です。

S造(鉄骨造)では延床面積が1000~3000㎡の建物で、約1,000円~3,000円/㎡です。

木造住宅の耐震診断料金は延床面積が120㎡程の在来軸組構法の建物で、約20万円~50万円/棟です。

一般財団法人 日本耐震診断協会HPより

耐震リフォームなら控除(減税)が受けられる

一定の要件を満たした場合、実は、耐震リフォームなら控除(減税)を受けることができます

せっかくの制度は使わないともったいないので、耐震リフォームを検討されている場合は、耐震リフォーム減税を確認してみてください。

地震から家族を守る家を購入するには

地震に強い中古住宅の選び方

リフォーム前提で中古物件の購入を検討されている方も多いので、ここでは地震から家族を守る家を購入するためのチェック項目を4つご紹介します。

1)地盤を調べる

マンションの場合、地盤調査を行って基礎を設計しているので、地盤に関してはそれほど心配はありません。

一方、一戸建ての場合、2000年に建築基準法が改正されて以降は地盤調査が事実上義務化されていますが、それ以前の住宅では行われていないケースがほとんどです。

そのため築年数の古い戸建ての購入を検討されている場合は、地盤調査をしっかりと行うべきです。

軟弱な地盤の場合、

  • 液状化
  • 不同沈下
  • 倒壊

などの危険が潜んでいます。

もし地盤調査を行った結果、地盤が弱いことが分かっても、地盤の強度に合わせた地盤改良を行えば安心です。

なお中古住宅の場合、地盤の状態を見極めるのは、更地に新築するケースよりも比較的簡単に行えます。

なぜなら地盤に不具合があれば、床の傾きや開口部の隙間など、家に何かしらの兆候が現れているからです。

ご自身で地盤を調べてみる際は、下記の項目を参考にしてみてください。

地盤調査のデータを確認する

その土地の強度を調べるには、周辺地域で実施された調査結果からでも、ある程度は推察できます。

国土交通省による国土地盤情報検索サイト「Kunijiban」(http://www.kunijiban.pwri.go.jp/)では過去に実施された地盤調査のデータを無料で閲覧できますし、自治体によっては独自の調査結果を公開しているところもあります。

ハザードマップを確認する

各自治体では

  • 液状化マップ(液状化する恐れのある地域を示したもの)
  • ハザードマップ(地震・津波・洪水などの災害リスクを示したもの)

が公開されています。

こうした情報が充実している自治体であれば、防災意識が高いと考えられるので、物件選びの際の参考にもなります。

土地の来歴を調べる

昔に「田んぼ」「湿地帯」「池」だった地域は、地盤がゆるいので地震の際には揺れやすいです。

「水」「沼」「谷」など水や低地を連想させる地名がつく地域は要注意といえます。

またその地区にある図書館でその地区の古地図を調べることで、昔の土地利用状況を確認するのも一つの方法です。

周囲を歩いてみる

最後は自分の目と足で確認してみてください。

  • 建物と地面の間に隙間はないか?
  • 周辺道路で一部陥没している部分はないか?
  • 雨が上がってしばらく経つのに水たまりが残っていないか?
  • ひな壇上の造成地ではないか?
  • 周囲に塀がたわんでいる家はないか?
  • 擁壁(※)にひび割れはないか?

※擁壁(ようへき)

坂の多い街では、盛り土(土地を盛る)や切り土(土地を削る)で平らな土地を造成しますが、この時の斜面の土砂がくずれるのを防ぐために設ける「土留め構造物」のことです。

2)住宅履歴を確認する

住宅履歴とは、家の履歴書のようなものです。

「いつ、だれが、どのように設計・施工したのか?」
「どんな建築材料を使っているのか?」
「どんな補修をしてきたのか?」

など建物の状態や安全性を知るための重要な手掛かりになります。

住宅履歴情報の整備は国土交通省が進めているもので、すでに「長期優良住宅」の認定を受けた住宅は、新築時の設計図やリフォームの記録など住宅履歴の保存が義務づけられています。

(関連記事)
外壁塗装やリフォームの際に住宅履歴を活用する2つのメリット

マンションの場合

マンションの場合は修繕履歴が残っているので確認が容易に行えます。

マンションでは10~15年に1回、外壁リフォームや屋上の防水工事など大規模な修繕が行われるのが一般的です。

きちんと行われていないマンションでは建物の劣化が早く進んでいる恐れがあります。

同時に修繕積立金の確認も忘れずにしてください。

低すぎる場合は適切な修繕がされていなかったり、多額の一時金が発生する可能性があります。

繕積立金の目安は、15階未満、建築延べ床面積5,000~10,000㎡のマンションで、 202 円/㎡・月となっています(国土交通省ガイドラインより)。

一戸建ての場合

一戸建ての場合は住宅履歴がないケースがほとんどです。

気になる物件が出てきた際には、まずは不動産会社に確認してみましょう。

住宅履歴が不明な場合は、ホームインスペクション(建築士などプロによる建物診断)してもらうことを検討してみてください。

不動産会社によっては無料でホームインスペクションを実施しているところもあります。

3)老朽化を確認する

図面も大切ですが、建物の現状をきちんと「目視」で確認することも重要です。

  • 目立ったひび割れはないか?
  • 建物が傾いていないか?
  • シロアリによるダメージはないか?

など建物の傷んでいる部分を丁寧に確認した上で、適切な耐震補強をする方が安心な家を手に入れられますし、耐震リフォーム費用も抑えられます。

基礎や外壁のひびを確認する

家の外観を見回って、ひび割れを確認します。

同じ線上にひび割れがある場合は、その線を境に地盤が傾いている恐れがあります。

また外壁に亀裂や膨れがある場合は、そこから雨水が侵入しやすいので、建物内部の老朽化が進んでいる恐れがあります。

壁や天井にシミがないか確認する

雨ジミは見つけやすいので、じっくり観察してみてください。

雨ジミがあるということは雨漏りだけでなく、カビや黒ずみも発生しやすいですし、ひいては木材の腐食やシロアリ被害へと繋がりやすくなります。

床下を確認する

一戸建ての場合、床下点検口を開けて床下も確認しましょう。

  • 異様なカビ臭さはないか?
  • 基礎のコンクリートにひび割れはないか?
  • 水漏れの跡はないか?

などを確認していきます。

床の傾きやきしみを確認する

自分の感覚も意外に頼りになります。

室内に入った時の足元の感覚や目線に違和感を感じる場合、家が歪んでいる恐れがあります。

中古物件の内覧中の場合は売主への配慮も必要ですが、水平器やビー玉などで床の傾きは確認できます。

屋根裏を覗いてみる

一戸建ての場合、天井に設けられた点検口から屋根裏の状態も確認します。

  • 雨漏りのシミはないか?
  • 湿った感覚はないか?

ただ屋根裏の確認は足場も悪いので、専門家に依頼すると安心です。

4)建物の形状を見る

地震に強い建物は正方形に近いシンプルな形です。

縦と横の差が極端に大きい細長い建物や、凸凹が多い複雑な形の建物は、地震によって大きな力が加わった際にバランスを崩して倒壊したり損傷しやすくなります。

リフォームをする前提で中古物件を探しているなら、こうした地震に弱い部分を補強することは可能です。

  • 柱を太くする
  • 梁を渡す
  • すじかいをバランスよく配置する
  • 上下階の壁の位置を揃える

など耐震性を上げる方法はいくつかあります。

リビングダイニングキッチンを2階に配置する逆転プランを選択した場合、必然的に1階に個室を設けることになり、壁の量が多くなるので構造的に安定しやすくなります。

反対に、建物の角に1辺4m以上の大きな吹き抜けを設けたり、カーポートなどに利用するため2階が1階より飛び出た形の建物などは、構造的に弱くなるので、しっかりと耐震補強を施すことが必要になります。

間取り変更を検討する際には、まずは建物の形をみて、耐震性を上げる計画も練り込んでいくと安心です。

一戸建てリフォームを検討されている方は、さらに下記詳細も併せて確認してみてください。

基礎のつくられ方を確認する

最近の木造住宅は「布基礎」か「ベタ基礎」が一般的ですが、築年数の古い建物では稀に独立基礎の場合もあります。

布基礎とは
建物の土台にそって、切れ目なくフーチング(基礎底盤)を設けた帯状の構造

ベタ基礎とは
建物全体に鉄筋コンクリートの底盤を設けて建物を支える構造

耐震性を考えると「布基礎」か「ベタ基礎」なら安心です。

また共通して大事なポイントは、基礎の中に鉄筋が入っているかどうかです。

2階建ての場合は「シングル配筋」、3階建ての場合はさらに強度の高い「ダブル配筋」が一般的です。

配筋の有無は、下地センサーなどで確認します。

屋根の材質を確認する

冒頭でもお伝えしましたが、建物の「頭」は軽いにこしたことはありません。

屋根部分が重いと地震の強さも大きくなり不安定になるので、昔ながらの瓦屋根よりも、スレートや金属板葺きなど比較的軽い建材を使用しているなら安心です。

あと築年数が古い家で屋根塗装をしていない家の場合、下地が劣化している恐れもあります。

屋根リフォームは決して安い価格ではありませんが、耐震性だけででなく、家を長持ちさせるためにも外せないポイントです。

1階の東西南北各面に全く壁のない面がないか確認する

地震の揺れは建物に水平方向に大きな力を加えます。

この力に耐えるには、東西南北の各面にバランスよく壁を配置することが大切です。

そして窓などの開口部も同様に、東西南北に同程度つくるのが理想です。

コーナー出窓など過度に壁がない建物はバランスが悪くなるので、リフォームプランを練る時は専門家にきちんと相談してください。

瑕疵保険がかけられる家を買う

瑕疵保険とは「リフォーム工事の検査」と「リフォーム工事後の保証」がセットになった保険です。

リフォーム工事後に不具合が起きにくく、また不具合が起きた場合には保険がおりる制度です。

2010年からは中古住宅にも適用されるようになりました。

保険に加入するためには検査機関によるチェックが必要なので、瑕疵保険がかけられる住宅であれば、構造上が安心です。

(関連記事)
リフォーム瑕疵保険があればリフォームトラブルを予防できる!

耐震基準適合証明書を取得している家を買う

売主が耐震基準適合証明書を取得していれば

  • 住宅ローン減税対象になる
  • 地震保険料が10%安くなる
  • 固定資産税が減免になる
  • 不動産取得税が減免になる
  • 登録免許税が減免になる

安心面だけでなく、金銭的なメリットも色々と得られます

適合リノベーション住宅を買う

安心して選べるリノベーション住宅の普及を目指して、リノベーション住宅推進協議会(http://www.renovation.or.jp/)が設定する「適合リノベーション住宅」も分かりやすくて安心です。

  1. 建物検査
  2. 改修工事
  3. 報告
  4. 保証
  5. 住宅履歴情報

を統一規格とし、住宅タイプ別に品質基準を定めています。

対応できる会員企業は530社以上(2016年10月現在)と全国にあるので相談もしやすいです。

耐震リフォーム業者の選び方

耐震リフォーム業者の選び方

リフォーム業者と一口に言っても、各社とも得意分野が分かれています。

まずは耐震リフォームの実績が豊富な会社なのかどうかを確認しましょう。

耐震リフォームの経験が豊富な会社は補強工事に慣れているだけでなく、メーカーとの取引量も多いため、安価に耐震フレームやガラス飛散防止シートなどを仕入れてもらうことも可能です。