部屋の雰囲気を変えたい場合は、照明のリフォームがおすすめです。
しかしリフォーム用の照明は種類が多すぎて、どれを選べばいいのか悩みがちです。
そこで、この記事では照明の種類や選び方、リフォーム費用の相場、全く新しい照明システム「スカイライトチューブ(太陽光照明)」などを紹介します。
ライト・照明器具の種類と選び方
住宅用やリフォーム向けの照明は、パナソニックやオーデリックなど、様々なメーカーから数百種類もの商品が販売されています。
そのため、まずは主な照明の種類と、輝度の高さなどをご紹介します。
シーリングライト(明るさ:強い)
天井に取り付ける、主に丸型の照明を指します。
部屋全体を照らすために使用され、輝度が高く、メインの照明として活用されることが一般的です。
リフォームでは、天井に引掛シーリング(照明に電気を供給する機器)を設置することにより、取り付けが可能となります。
ペンダントライト(明るさ:中程度)
天井から吊るす、シェード(傘)が付いた照明を指します。
食卓などを部分的に照らす用途として使用され、輝度は中程度で、主に補助照明として活用されます。
リフォームでは、天井に引掛シーリングを設置することにより、取り付けが可能となります。
シャンデリア(明るさ:中程度)
天井から吊るす、複数のライトで構成された照明を指します。
食卓などを部分的に照らす用途として使用され、輝度は中程度で、主に補助照明として活用されます。
リフォームでは、天井に引掛シーリングと落下防止用の補強金具を設置したり、天井に直接付けることにより、取り付けが可能となります。
ダウンライト(明るさ:弱い)
天井に埋め込む、小型の照明を指します。
玄関や洗面脱衣室、インテリアなどを照らす用途として使用され、輝度は低めで、補助照明として活用されます。
リフォームでは、天井を作り直しつつ、埋め込むことにより、取り付けが可能となります。
間接照明(明るさ:弱い)
壁面や天井などに埋め込む、「建築化照明」とも呼ばれる照明を指します。
リビングや寝室などの壁、天井、床などを照らす用途として使用され、輝度は低めで、補助照明として活用されます。
リフォームでは、壁や天井などを作り直しつつ、埋め込むことにより、取り付けが可能となります。
ブラケット(明るさ:弱い)
壁に取り付ける照明を指します。
部屋をぼんやりと明るくする用途として使用され、輝度は低めで、補助照明として活用されます。
リフォームでは、壁を作り直すなどの工程を経て、取り付けが可能となります。
スポットライト(明るさ:弱い)
天井や壁に取り付ける、主に狭い範囲を集中的に照らす照明を指します。
壁に飾った絵画や、床に置いたインテリアなどを照らす用途として使用され、輝度は低めで、補助照明として活用されます。
リフォームでは、壁や天井に直接取り付けたり、天井にダクトレール(照明を取り付けるためのレール)を付けることにより、取り付けが可能となります。
スタンドライト(明るさ:弱い)
床に置く照明を指します。
部屋全体をぼんやりと明るくする用途などとして使用され、輝度は低めで、補助照明として活用されます。
リフォームでは、特に工事を必要とせず、コンセントから電気を取りつつ、床に置くことで利用できます。
最近は「多灯分散照明」が人気
従来の部屋の照明といえば、シーリングライトが1灯だけ設置された、きわめてシンプルなものでした。
しかし低電力で点灯するLEDが普及した現在では、1つの部屋に大小様々な照明をたくさん取り付けて灯りを出す「多灯分散照明」が人気となっています。
もちろんシーリングライトなど輝度が高い照明を1つだけ設置する、シンプルなリフォームも悪くはありませんが、輝度が高い照明や、低い照明を複数組み合わせれば、様々な雰囲気を演出することができます。
以下に、部屋に雰囲気を出したいときにおすすめする、多灯分散照明の組み合わせパターンを3つ紹介します。
リビングを落ち着いた雰囲気に演出したい場合
リビングを落ち着いた雰囲気に演出したい場合は、輝度が高いシーリングライトを中心に、輝度が低いブラケットや間接照明を複数個組み合わせた、多灯分散照明がおすすめです。
またシーリングライトではなく、シャンデリアを導入しても、リビングを落ち着いた雰囲気に演出できます。
ただしシャンデリアはシーリングライトより輝度が低い商品が多いため、ブラケットの数を増やしたり、スタンドライトを追加しつつ、部屋の明るさを保つ必要がでてきます。
なおリビングを落ち着いた雰囲気に演出したい場合は、昼白色(白い光色)より、電球色(淡いオレンジ色の光色)の照明を選んでください。
キッチンを明るく清潔感のある雰囲気に演出したい場合
キッチンを明るく、清潔感のある雰囲気に演出したい場合は、輝度が高いシーリングライトを中心に、輝度が低いダウンライトやスポットライトを複数個組み合わせる、多灯分散照明がおすすめです。
具体的には、6帖のキッチンで、シーリングライト1灯とダウンライト4灯、スポットライト2灯などの組み合わせがおすすめです。
キッチンにスポットライトがあれば、料理をする際に手元を照らすキッチンライトとしても活用できます。
またキッチンを明るくて清潔感のある雰囲気に演出したい場合は、電球色ではなく、昼白色の照明を選んでください。
寝室を安らぎのある雰囲気に演出したい場合
寝室を安らぎのある雰囲気に演出したい場合は、シーリングライトのような主照明を取り付けずに、輝度が低い間接照明やブラッケット、スタンドライトを複数個組み合わせた、多灯分散照明がおすすめです。
また寝室の照明をリフォームする際は、枕元などベッドから手が届く場所に照明のスイッチを設置しておけば、就寝時に便利です。
なお寝室を安らぎのある雰囲気に演出したい場合は、昼白色ではなく、電球色の照明を選んでください。
多灯分散照明は電気代がかかる?!
「節電」「省エネ」を意識したとき、様々な照明をたくさん使う多灯分散照明は、一見すると電気代がかさむように思われるかもしれません。
でも多灯分散照明では、1室1灯照明で部屋全体を照らすよりも、ワット数を抑えた照明を分散するので、必要のない箇所の照明を抑えることができます。
照明リフォームの費用はいくらが相場?
以下に、リビングやキッチンに多灯分散照明を導入するために必要な照明の種類や数、リフォーム費用の相場をご紹介します。
10帖のリビングのリフォームにおすすめの照明の種類と費用の相場
10帖のリビングに導入する照明の種類と数 | リフォーム費用の相場 |
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シーリングライト×1灯 | 3~4万円程度 |
ブラケット×6灯 | 20~25万円程度 |
間接照明×2灯 | 20~30万円程度 |
合計 | 45~60万円程度 |
導入する全ての照明に電球色の商品を選べば、リビングを落ち着いた雰囲気に演出できます。
6帖のキッチンのリフォームにおすすめの照明の種類と費用の相場
6帖のキッチンに導入する照明の種類と数 | リフォーム費用の相場 |
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シーリングライト×1灯 | 3~4万円程度 |
ダウンライト×4灯 | 15~20万円程度 |
スポットライト(天井直付けタイプ)×2灯 | 6~8万円程度 |
合計 | 25~35万円程度 |
導入する全ての照明に昼白色の商品を選べば、キッチンを清潔感あふれる雰囲気に演出できます。
6帖の寝室のリフォームにおすすめの照明の種類と費用の相場
6帖の寝室に導入する照明の種類と数 | リフォーム費用の相場 |
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間接照明×2灯 | 20~30万円程度 |
ブラッケット×4灯 | 10~15万円程度 |
スタンドライト×1灯 | 2~3万円程度 |
合計 | 35~50万円程度 |
導入する全ての照明に電球色の商品を選べば、安らぎのある寝室を演出できます。
スカイライトチューブ(太陽光照明)とは
スカイライトチューブ(太陽光照明)とは、太陽光を採光できるレンズを屋根に取り付け、採光した太陽光を室内にダイレクトに導いて照明として利用する、新時代の照明器具です。
太陽光を採光すると聞くと、トップライト(天窓)をイメージしますが、スカイライトチューブは、アルミチューブと呼ばれる特殊な管を用いて、採光した太陽光を凝縮しつつ室内に導くため、2階の屋根で採光した太陽光を1階に導けるという、優れた特性があります。
またスカイライトチューブなら、太陽光を室内に導くだけに、通常の照明では再現できない、まるで日当たりのような明るさを楽しめるという特徴もあわせ持っています。
ただし屋根の上に太陽光を採光するレンズを取り付けたり、採光した太陽光を室内に導くために屋根裏などに配管をしたりする必要があるため、大掛かりなリフォームが必要となります。
また長期間使い続けると、雨漏りをする可能性があると懸念されています。
照明リフォームをする時の注意点
ご紹介してきたように、現在では、たくさんの照明を設置して灯りを出す「多灯分散照明」が主流です。
多灯分散照明はその名の通り、1つの部屋で5~6灯と沢山の照明を設置するため、シーリングライトが1灯だけ設置された部屋より明るくなる印象がありますが、実は暗くなることが多々あります。
これは、ペンダントライトや間接照明など、デザインは優れているものの、輝度が低い補助照明ばかりを集めて作られた多灯分散照明の部屋によくある現象で、照明のリフォームは失敗例が多いことが特徴です。
そのためリフォーム用の照明を販売するパナソニックなどでは、各ショールームに照明専門のアドバイザーを配置し、多灯分散照明を導入するリフォームに関する相談を受け付けています。
もしも多灯分散照明を導入するリフォームをしたものの、リフォーム前より部屋が暗くなったと感じる場合は、スタンドライトなどの補助照明を床に置き、明るさを足すのがおすすめです。
照明リフォーム業者の選び方
照明器具は販売されている数が多く、商品選びが大変ですが、部屋の雰囲気をガラリと変えることができて楽しいです。
ただ照明のリフォーム費用は、リフォームをする部屋の状態や、新たに導入する照明の形状などにより、天井や壁を作り直したり、壁紙を貼り直したりする必要があるため、業者によって大きく変動します。
そのため複数のリフォーム店から見積もりをとり、コスパの良いリフォーム店と巡り合ってください。
またリフォーム業者と一口に言っても、各社とも得意分野が分かれています。
必ず照明リフォームの実績が豊富な会社なのかどうかを確認しましょう。
照明リフォームの経験が豊富な会社は工事に慣れているだけでなく、メーカーとの取引量も多いため、安価に各種ライトを仕入れてもらうことも可能です。
あなたはどんな雰囲気の部屋が欲しいですか?