戸建てにお住まいで「2階や3階への昇り降りがツライ」とお悩みの方はいませんか?
あるいは「老齢の両親や祖父母が昇り降りする様子が危なっかしい」と心配されている方はいませんか?
そのような方には、自宅にホームエレベーターを後付けするリフォームがおすすめです。
エレベーターと聞くと鉄筋や鉄骨造の建物にしか設置できないイメージがありますが、ホームエレベーターは木造の住宅にも設置が可能で、導入する家庭が増えています。
でもホームエレベーターを後付けするためには、どれぐらいの設置スペースが必要かなど、分からないことも多いはず。
そこで、この記事ではホームエレベーターを後付けするための費用や注意点などを紹介します。
ホームエレベーターのサイズ
ホームエレベーターとは、一軒家に設置する家庭用のエレベーターを表します。
ホームエレベーターは、小さなものであれば畳1枚分程度から、大きくても畳2枚分程度のスペースがあれば設置ができます。
また「3人乗り」「2人乗り」「1~2人乗り」のモデルが主流となっています。
ホームエレベーターのサイズは販売するメーカーやモデルにより異なるため、実寸法は販売メーカーのホームページやカタログなどで確認していただきたいのですが、以下にそれぞれのモデルの室内寸法の目安を紹介します。
3人乗りのホームエレベーター
3人乗りのホームエレベーターの室内寸法は1300×850mm程度で、積載量は200Kg程度となっています。
大人3名、または車椅子の方1名と介助者1名が搭乗できます。
2人乗りのホームエレベーター
2人乗りのホームエレベーターの室内寸法は1000×700mm程度で、積載量は150Kg程度となっています。
大人2名、または車椅子の方1名だけが搭乗できます。
1~2人乗りのホームエレベーター
1~2人乗りのホームエレベーターの室内寸法は700×600mm程度で、積載量は130Kg程度となっています。
大人2名だけが搭乗可能で、車椅子の方は搭乗できません。
ホームエレベーターのおすすめメーカー3選
ホームエレベーターは様々なメーカーから販売されていますが
- パナソニックホームエレベーター
- 三菱日立ホームエレベーター
- サンユー建設
のエレベーターが個人的にはおすすめです。
以下にて、各メーカーのホームエレベーターの特徴をご紹介します。
パナソニックホームエレベーターの特徴
1つ目におすすめするメーカーは、パナソニックのグループ会社「パナソニックホームエレベーター」です。
パナソニックのホームエレベーターの最大の特徴は、他社のエレベーターより設置しやすいことです。
実際、国内シェア65%を占める、最も人気のホームエレベーターとなっています。
ホームエレベーターを含め、一般的なエレベーターは、最下階の床下にモーターを設置し、そのモーターによりルーム(人が搭乗する部屋)を上下動させる仕組みとなっています。
そのためホームエレベーターを設置するには、最下階の床下にモーターを設置するため、深さ600mm程度の「ピット」と呼ばれるスペースが必須です。
これを理由に、ホームエレベーターの後付けリフォームを行う際は、基礎を削るなど、大掛かりな工事が必要となります。
しかしパナソニックホームエレベーターは、モーターをエレベーターの側面に設置することにより、ピットの深さが200mmという、基礎を削らず設置できる革新的なホームエレベーターを商品化させ、ホームエレベーターの後付けリフォームを今までより手軽にしました。
三菱日立ホームエレベーターの特徴
2つ目におすすめするメーカーは、三菱電機と日立製作所がホームエレベーター事業を統合して設立した「三菱日立ホームエレベーター」です。
三菱日立のホームエレベーターは
- エレベーターの稼働状況を24時間見守る「遠隔監視システム」
- 地震が発生した際に自動的に最寄りの階に停車して扉が開く「P波センサー付き地震時管制運転」
- 搭乗時に住宅に火災が起きた際に、エレベーター内への煙の侵入を防ぐドア「ピシャットくん」
などの各種安全装置を、標準装備またはオプションにて追加できることが特徴です。
そのため地震の多い地域にお住まいの場合や、安全性を重視したエレベーターをご希望の場合は、三菱日立ホームエレベーターのホームエレベーターがおすすめです。
サンユー建設の特徴
3つ目におすすめするメーカーは、東京都大田区に本社を構える、ジャスダックに上場している建設メーカー「サンユー建設」です。
サンユー建設は「ビーグルエレベーター」という名称で、リフォーム用のエレベーターを積極的に販売しています。
パナソニックホームエレベーターや三菱日立ホームエレベーターと比べ、知名度は高くありませんが、自社ホームページ内にて具体的に導入費用などを紹介しています。
サンユー建設は2018年現在、東京都や神奈川県など関東地域だけでエレベーターを販売していますが、エリアは順次拡大するとのことです。
ホームエレベーターの後付けリフォーム費用はいくらが相場?
ホームエレベーターを後付けするために必要となる、リフォーム費用の相場をご紹介します。
ホームエレベーターのリフォームは、導入するエレベーターのサイズや、停止する階の数、既存の住宅状態により大きく変動しますが、本体価格と工事代を含む導入費用は、以下が目安となります。
エレベーターのサイズ | リフォーム費用の相場 |
---|---|
3人乗り | 本体価格350~400万円 工事費用150~300万円 →合計500~700万円 |
2人乗り | 本体価格300~350万円 工事費用150~300万円 →合計450~650万円 |
1~2人乗り | 本体価格250~300万円 工事費用150~300万円 →合計400~600万円 |
ホームエレベーターは、新築の際に導入するのであれば、50万円程度の工事費用で設置できますが、既存の戸建てに導入する場合は、補強工事などが必要となるため、150~300万円程度の費用が必要となります。
なおホームエレベーターは、増築をしつつ屋外に設置をすることもできますが、その際はご紹介した各工事費用に200~400万円程度の追加費用が必要となります。
ホームエレベータにかかる電気代や維持費はいくら?
ホームエレベーターにかかるランニングコストは、導入するエレベーターのサイズなどにより異なりますが、1日10回程度の利用で、電気代は月額500円程度です。
なおホームエレベーターにかかわらず、エレベーターの所有者は、建築基準法により安全の維持管理が義務付けられています。
そのためホームエレベータを所有し続けるには、毎年1回、有資格者が点検を行う必要があり、その費用として4~5万円程度が必要です。
ホームエレベーターを後付けリフォームする時の注意点
1)建築基準法と行政庁への確認申請
以前のホームエレベーターといえば、1坪程度(畳2枚分)という広い設置スペースが必要でしたが、最近はコンパクトなモデルが増え、0.5坪程度(畳1枚分)で設置が可能です。
これによりホームエレベーターの後付けリフォームはハードルが低くなりました。
しかしホームエレベーターは、建築基準法に適合していない住宅には設置できません。
なぜなら(ホームエレベーターを含む)エレベーターは建築基準法に適合した建物のみに設置が可能で、なおかつホームエレベーターを設置する際は、行政庁に確認申請をする必要があると法律で定められているからです。
そのためホームエレベーターを導入する際は、自宅が建築基準法に適合していることを証明した書類を添付しつつ、行政庁に確認申請をする必要があります。
自宅が建築基準法に適合していない場合は、建築基準法に適合させつつ、ホームエレベーターを導入するリフォームを計画し、行政庁に確認申請をすれば、ホームエレベーターの設置が可能になる場合があります。
2)押入れを潰して導入する場合
ホームエレベーターを販売するメーカーのホームページでは、押し入れを潰しつつ、ホームエレベーターを設置することを推奨していますが、押し入れを潰すと収納スペースが大きく減ってしまいます。
そのため押し入れを潰してホームエレベーターを設置する場合は、新たな収納スペースを考えつつ、リフォームをすることが必要です。
ホームエレベーターのリフォーム業者の選び方
ホームエレベーターがあれば、高齢者の方や車椅子の方も、2階や3階への昇り降りが容易になり、生活空間が広がります。
また掃除機や布団など、大きな物を移動する際にも便利です。
ただリフォーム業者と一口に言っても、各社とも得意分野が分かれています。
まずはホームエレベーターのリフォームの実績が豊富な会社なのかどうかを確認しましょう。
ホームエレベーター設置のリフォーム経験が豊富な会社は、工事に慣れているだけでなく、構造計算によって適切なエレベーターを見繕ってくれたり、行政への申請をサポートしてくれたりします。
あなたはどんなホームエレベーターが欲しいですか?