実は、一定の要件を満たすと、床下の劣化対策工事などの、耐久性向上リフォームでも確定申告・年末調整の際に控除(減税)を受けることができます。
家の耐久性を高めるリフォームを検討されているのなら、せっかくの制度を利用しないのはもったいない!
この記事では、長期優良住宅化リフォームの減税制度について分かりやすく解説していきますので、ぜひ活用してください。
長期優良住宅化リフォーム減税とは
長期優良住宅化リフォーム減税とは、あなたが暮らしている家を耐久性向上改修工事した場合に、一定の要件をクリアすると、一定の金額がその年分の所得税額から控除されるものです。
家の耐久性を向上させるリフォームとしては、
- 小屋裏、外壁、浴室、脱衣室、土台、軸組等、床下、基礎もしくは地盤の劣化対策工事
- 給排水管もしくは給湯管に関する維持管理もしくは更新を容易にするための工事
などが含まれます。
ただ、ここでの「耐久性向上改修工事」とは、耐震リフォームや省エネリフォームと併せて行うものに限られます。
長期優良住宅化リフォーム減税では、リフォームのためのローン等の利用がなくても適用されます。
もし、この耐久性向上改修工事(省エネリフォームと併せて行うもの限定)のためにローン等を利用しており、省エネリフォーム減税(ローン型減税)の適用要件も満たしている場合は、いずれか一つを選択し、控除を受けることができます。
長期優良住宅化リフォーム減税の適用要件
長期優良住宅化リフォーム減税の適用を受けるためには、以下のような要件を満たしている必要があります。
- 住宅耐震改修または(および)一般省エネ改修工事を一緒に行うこと
- 平成29年4月1日〜平成33年(2021年)12月31日までの間に入居していること
- 耐久性向上改修工事の日から6か月以内に入居していること
- 工事費が50万円を超えるものであること
- 住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の1/2以上の部分が居住用であること
<参考>国税庁:耐久性向上改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1227.htm
ここでの注意点は床面積です。
床面積は「登記簿」に表示されている床面積により判断され、販売資料や売買契約書に記載された床面積とは異なります。
面積の算出基準の違いによるものですが、総じて登記簿の床面積の方が小さくなりがちです。
心配な場合には、登記簿の床面積を事前確認しておくことをおすすめします。
長期優良住宅化リフォーム減税の控除期間と控除額
長期優良住宅化リフォーム減税の控除期間は1年間です。
控除額は、どのリフォームを耐久性向上改修工事と一緒に行ったかにより異なります。
1)耐震リフォームと併せた場合
「耐震改修工事の標準的な費用の額」と「耐久性向上改修工事の標準的な費用の額」の合計額の10%です。
工事費用の合計額は250万円が限度です。
なので250万円×10%=25万円ということで、最大25万円が控除されます。
2)省エネリフォームと併せた場合
「一般省エネ改修工事の標準的な費用の額」と「耐久性向上改修工事の標準的な費用の額」の合計額の10%です。
工事費用の合計額は250万円が限度です。
ただし太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は、350万円が限度となります。
なので350万円×10%=35万円ということで、最大35万円が控除されます。
3)耐震リフォームと省エネリフォームの両方を併せた場合
「耐震改修工事の標準的な費用の額」と「一般省エネ改修工事の標準的な費用の額」と「耐久性向上改修工事の標準的な費用の額」の合計額の10%です。
工事費用の合計額は500万円が限度です。
ただし太陽光発電設備設置工事が含まれる場合は、600万円が限度となります。
なので600万円×10%=60万円ということで、最大60万円が控除されます。
それぞれの工事の標準的な費用の額は「増改築等工事証明書」で確認することができます。
またリフォームの補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を工事費用から引いた額の10%が控除額です。
長期優良住宅化リフォーム減税を受けるための手続き
長期優良住宅化リフォーム減税の適用を受けるためには、確定申告の際に以下の書類を用意して申請する必要があります。
- 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
- 増改築等工事証明書
- 登記事項証明書など(家屋の床面積が50㎡以上であることを証明する書類)
- 長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し
- 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
増改築等工事証明書は、リフォーム業者に依頼すれば発行してもらえます。
手続きに欠かせない書類なので、忘れずにもらっておきましょう。