築年数の古い平屋にお住まいで、「どこもかしこも傷んでいる」とお悩みの場合は、平屋のフルリフォーム(全面リフォーム)がおすすめです。
平屋を丸ごとリフォームすれば、屋根や外壁、キッチン、浴室、トイレなど、すべてを綺麗にできます。
この記事では、平屋のフルリフォームにかかる費用や期間、法的手続きや税制優遇措置などに関する情報を紹介します。
平屋の全面リフォームにかかる費用はいくらが相場?
平屋を全面リフォームする費用は、床面積や部屋の数、新たに導入するシステムキッチンやシステムバスのグレードなどにより変動しますが、以下が相場です。
床面積 | 費用の目安 |
---|---|
25坪まで | 500~1000万円程度 |
25~35坪 | 750~1500万円程度 |
35坪以上 | 1000~3000万円程度 |
費用を安く抑えたい場合は、新たに導入するシステムキッチンやシステムバス、建具、屋根材、外壁材などのグレードを控えめにすることで対策できます。
平屋のフルリフォームにかかる期間は?
平屋をフルリフォームするために必要となる期間は、リフォームする平屋の床面積などにより異なりますが、以下が目安です。
床面積 | リフォーム期間 |
---|---|
25坪まで | 1~2ヶ月程度 |
25~35坪 | 2~3ヶ月程度 |
35坪以上 | 3~6ヶ月程度 |
なおフルリフォームを請け負う業者の中には「短期間で終わる」と謳う業者も見かけますが、あまりに短期間で終了するリフォームは手抜き工事される恐れがあるため、ご注意ください。
住みながら全面リフォームはできる?
住みながらの全面リフォームは難しい場合が多いです。
なぜなら住みながらのリフォームとなると、リフォームする部屋が変わる度に家財道具を移動させる必要があるため、作業が捗らないからです。
また安全面の問題もあります。
基本的には一旦家を離れる必要があるので、仮住まいを借りたり、トランクルームに大型家具を預けたりする費用を含めたリフォーム予算を組む必要があります。
また仮住まい中にリフォーム工事が遅れると、仮住まい先も延長する必要があり、家賃がかさみます。
よって、リフォーム業者にリフォーム期間をよくよく確認することが大切です。
何かしらの理由により住みながらのリフォームを希望する場合は、住みながらを前提としたプランを提案してくれる業者を探す必要があります。
平屋フルリフォーム3つのメリット
フルリフォームとは、屋根の葺き替えや外壁の貼り替え、システムキッチンやシステムバスの導入などを含め、住宅すべてを改修する「全面リフォーム」を表します。
丸ごとリフォームには、様々なメリットがありますが、主なメリットを3つご紹介します。
1)建て替えより安い
フルリフォームをすれば、まるで建て替えたかのように、お住いの平屋をピカピカにできます。
しかもフルリフォームは、建て替えではなくリフォームのため、既存の基礎や柱、梁、筋交いなどの躯体、水道管、ガス管、電線などを活かすことで、建て替えより費用が安く済むというメリットがあります。
2)様々な税制優遇制度を利用できる
一定の条件を満たした場合、リフォームでも控除(減税)が適用されます。
特にフルリフォーム費用は決して安いものではないので、利用できる制度は上手に使って、少しでもお得にリフォームをしてください。
所得税の控除
ローン利用「なし」の場合
一定の条件を満たしたつつ、以下の内容を含んだ全面リフォームを行った場合は、リフォームが完了した年の所得税額が控除(減税)されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
---|---|
耐震リフォーム | 25万円 |
バリアフリーリフォーム | 20万円 |
省エネリフォーム | 25万円 (太陽光発電設備を併設した場合は35万円) |
同居対応リフォーム | 25万円 |
「5年以上のローンを利用」する場合
以下の内容を含んだ全面リフォームを、返済期間が5年以上のローンを利用して行った場合は、5年間に渡り、所得税額が控除(減税)されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
---|---|
バリアフリーリフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
省エネリフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
同居対応リフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
「10年以上のローンを利用」する場合
全面リフォームか否かにかかわらず、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用して、総工事費100万円以上のリフォームを行った場合は、10年間に渡り、住宅ローンの年末残高の1%が所得税額から控除されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
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リフォーム | 毎年40万円×10年間 |
固定資産税の減額
さらに耐震リフォームやバリアフリーリフォーム、省エネリフォームを含めた、全面リフォームを行った際は、リフォームを行った翌年の固定資産税が減税される制度も設けられています。
3)再建築不可の物件もピカピカにできる
フルリフォームは、お住まいの平屋を新築のように綺麗にできますが、建て替えではなくリフォームです。
そのため建築基準法で定められた道路に接していない敷地にある平屋や、市街化調整区域に建っている平屋など、いわゆる「再建築不可」の平屋も新築のようにリフォームできます。
よってフルリフォームは、再建築不可の平屋を所有し、建て替えられないとお悩みの方にもおすすめです。
ただし再建築不可の平屋を「増築する」全面リフォームはできないためご注意ください。
平屋をフルリフォームする時の注意点
平屋をフルリフォームをする場合、基本的に、法的な手続きは不要です。
ただし増築をしたり、地震による倒壊を防ぐための「筋交い」が入った間仕切りを複数箇所撤去したりする場合には、事前に役所に建築確認申請書を提出する必要があります。
また増築した場合は、不動産の登記簿を書き換える必要があり、その際は、増築後の図面などを添付した書類を法務局に提出する必要があります。
これらの手続きはリフォーム店が代行してくれますが、数万円から十数万円程度の費用が必要です。
法務局の職員に記載方法を教わりつつ、無料で配布されているドローソフト(画像描画ソフト)などで図面を作成するなどして、自分で書類を揃えることもできます。
時間と労力はかかりますが、ご自身で書類を作成しつつ登記簿を書き換えれば、数万円程度の費用の削減が可能です。
その他、増築した場合は、増築した床面積に対する不動産取得税が課税されたり、固定資産税が高くなることがあります。
平屋のフルリフォーム業者の選び方
リフォームは複数箇所をまとめて行うことにより、材料の無駄などを省けるため、費用が安くなる傾向があります。
そのためお住いの平屋の傷みが激しく、修繕する必要がある場合は、まるごと全面リフォームがおすすめです。
ただリフォーム業者と一口に言っても、各社とも得意分野が分かれています。
まずは平屋のフルリフォームの実績が豊富な会社なのかどうかを確認しましょう。
平屋の全面リフォームの経験が豊富な会社は、工事に慣れているだけでなく、メーカーとの取引量も多いため、安価にキッチン・トイレ・床・窓などを仕入れてもらうことも可能です。
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