- アトピー対策のため
- 花粉症対策のため
- 子供の健康のため
- ペットの健康のため
「シックハウス対策をしたい!」という方は増えています。
そこで、この記事ではリフォームでシックハウス対策をする際のコツを2つご紹介します。
自然素材リフォームをしよう
まずは化学物質を発散する建材・接着剤・塗料を極力使わないことが大切です。
- 漆喰
- 無垢材
- 珪藻土
のように、素材そのものが呼吸をして室内環境を快適に保ってくれる自然素材のものを多用していきます。
自然素材は経年変化するものの、反りや変形は支障があれば直せばいいですし、色の変化は味わいがあります。
換気リフォームをしよう
最近の家は気密性が高いので、室内の空気は澱みがちです。
建築確認申請が必要なリフォームの場合、法律に基づき24時間換気システムの設置を求められる場合も多いです(詳細は下記記事にて)。
換気扇がないとしても、各部屋のドアの下に1㎝ほどの隙間を設けると、空気が出入りし、自然に換気がされます。
シックハウス対策に関する国の法律や制度
シックハウス症候群はなぜ起こるの?
新築やリフォームした家に入居し
「目がチカチカする」
「喉が痛い」
「めまいや吐き気がする」
「頭痛がする」
など不快な症状があらわれる「シックハウス症候群」は問題になっています。
シックハウス症候群の主な原因は
- 使用されている建材や家具などから、ホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレンその他)など様々な化学物質が発散されているから
- 家の気密性が高くなったから
- ライフスタイルが変化し、換気が不足しがちになっているから
などがあります。
シックハウス症候群の対策は?
シックハウス症候群の対応策として
- 建材や家具などから発散する化学物質を減らすために、自然素材を多用する
- 換気設備をつけて室内の空気をきれいにする
が大切になります。
シックハウス対策の法律とは
快適で健康的な家で暮らすために、実はシックハウス対策のための改正建築基準法が平成15年7月1日に施行されています。
そうなんです、シックハウス対策のための国の法律があるんです。
この改正建築基準法はシックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、建築物に使用する建材や換気設備を規制する法律です。
対象は住宅・学校・オフィス・病院等すべての建築物の居室となります。
具体的な対策内容としては次の2つです。
- ホルムアルデヒド対策
- クロルピリホスの使用禁止
1.ホルムアルデヒド対策
ホルムアルデヒドは刺激性のある気体で、木質建材などに使われています。
ホルムアルデヒド対策には3つの項目があり、3つ全ての対策が必要となります。
- 内装仕上げの制限
- 換気設備設置の義務付け
- 天井裏などの制限
では各々について、もう少し詳しくご紹介します。
1-1)内装仕上げの制限
内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材を使う際には、次のような制限があります。
建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの 発散量 | JISやJAS などの 表示記号 | 内装仕上げの 制限 |
---|---|---|---|
建築基準法の 規制対象外 | 少ない | F☆☆☆☆ | 制限なしに使える |
第3種ホルムアルデヒド 発散建築材料 | F☆☆☆ | 使用面積が 制限される | |
第2種ホルムアルデヒド 発散建築材料 | F☆☆ | ||
第1種ホルムアルデヒド 発散建築材料 | 多い | 旧E2,Fc2 または表示なし | 使用禁止 |
規制対象となる建材は
- 木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)
- 壁紙
- ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上塗材
などです。
これらには原則として、JIS、JASまたは国土交通大臣認定による等級付けが必要となります。
1-2)換気設備設置の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられます。
例えば住宅の場合、換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となります。
ちなみに換気回数0.5回/hとは、1時間当たりに部屋の空気の半分が入れ替わることを表します。
1-3)天井裏などの制限
天井裏・床下・壁内・収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次の1~3のいずれかの措置が必要となります。
措置 | 内容 |
---|---|
1.建材による措置 | 天井裏などに第1種、第2種のホルムアル デヒド発散建築材料を使用しない (F☆☆☆以上とする) |
2.気密層、通気止めによる措置 | 気密層または通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する |
3.換気設備による措置 | 換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする |
2.クロルピリホスの使用禁止
クロルピリホスは有機リン系のシロアリ駆除剤です。
居室がある建築物には使用が禁止されています。
住宅性能表示制度とは
これから新築される方やリフォーム済中古物件などを購入される方は「住宅性能表示制度」も知っておくと良いです。
住宅性能表示制度は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき、平成12年10月にスタートした制度です。
住まいの性能を等級や数値で分かりやすく「見える化」したモノサシなので、シックハウス対策はもちろん、住まいの安心チェックができる制度です。
シックハウス対策まとめ
以上、シックハウス対策についてお伝えしました。
建築基準法さえ守ればシックハウス対策は十分、というわけではありません。
住宅選びやリフォームをする際には、トルエンやキシレンなど他の化学物質対策もしっかりチェックしましょう。
また家具、防虫剤、化粧品、タバコ、ストーブなども化学物質の発生源となります。
身の回りの日用品も見直しつつ、リフォームをする際には自然素材や換気に注目してください。