今は売りに出されている中古住宅が豊富な時代。
格安で中古住宅を購入し、リフォームすることで、快適な住まいをお得に手に入れる家庭が増えています。
そして実は、一定の要件を満たすと、耐震基準を満たしていない中古住宅を購入し、耐震リフォームをした場合、確定申告・年末調整の際に控除(減税)を受けることができます。
一度適用されれば、以後10年間にわたって減税を受け続けることができるので、利用しない手はありません!
住宅借入金等特別控除とは
住宅借入金等特別控除とは、平成26年(2014年)4月1日以後に、ローン等を利用して「要耐震改修住宅」を取得した場合、事前に一定の耐震リフォームを行う旨の申請をした上で、入居までにリフォームを行い、耐震基準に適合する証明がされると、控除を受けることができます。
要耐震改修住宅とは、簡単に言うと、耐震基準を満たさない、床面積が50㎡以上の家のことです。
個人の居住用の家屋で、床面積が50㎡以上であることを建物登記事項証明書で証明されたもののうち、耐震基準または経過年数基準に適合するもの以外のものを指します。
要耐震改修住宅とは関係ない、通常の耐震リフォームの場合の控除は住宅耐震改修特別控除があります。
住宅借入金等特別控除の適用要件
住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、以下のような要件を満たしている必要があります。
- 要耐震改修住宅の取得日までに、同日以後において、耐震リフォームを行う旨の申請手続をしていること
- 要耐震改修住宅への入居日までに、「耐震基準適合証明書」などにより耐震基準に適合したという証明がされていること
- 贈与による取得でないこと
- 取得日から6か月以内に入居し、控除適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
- 床面積が50㎡以上であること
- 10年以上にわたり分割返済する方法で中古住宅取得のためのローンを組んでいること
<参考>国税庁:要耐震改修住宅を取得し、耐震改修を行った場合(住宅借入金等特別控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1215.htm
事前申請には
- 建築物の耐震改修計画認定申請書
- 耐震基準適合証明(仮)申請書
- 建設住宅性能評価(仮)申請書 または 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約申込書
が必要です。
なお、ここでの注意点は床面積です。
床面積は「登記簿」に表示されている床面積により判断され、販売資料や売買契約書に記載された床面積とは異なります。
面積の算出基準の違いによるものですが、総じて登記簿の床面積の方が小さくなりがちです。
心配な場合には、登記簿の床面積を事前確認しておくことをおすすめします。
住宅借入金等特別控除の控除期間と控除額
住宅借入金等特別控除の控除額は住宅ローン等の年末残高 × 1% (控除限度額あり)です。
居住年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算 (控除限度額) |
---|---|---|
平成26年(2014年)4月1日 から 平成33年(2021年)12月31日 まで | 10年 | 年末残高等×1% (40万円) |
控除期間は10年間。
各年の最大控除額は40万円なので、40万円×10年間=最大400万円の控除(減税)を受けられます。
住宅借入金等特別控除を受けるための手続き
住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには、確定申告の際に以下の書類を用意して申請する必要があります。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し、売買契約書の写し等(要耐震改修住宅を取得した年月日や取得額、床面積などを証明するため)
- 耐震リフォームを行う旨を申請したことや、耐震基準に適合したこと、耐震改修工事費用を明らかにする各種書類
- 建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し及び耐震基準適合証明書
- 耐震基準適合証明申請書の写し および 耐震基準適合証明書
- 建設住宅性能評価申請書の写し および 建設住宅性能評価書の写し
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書の写しおよび 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類
- 請負契約書の写し
- 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
用意すべき書類が多いので、リフォーム業者や関連機関から忘れずにもらっておきましょう。