住宅履歴をご存じですか?
外壁塗装・屋根塗装・リフォームをする際に住宅履歴を活用しておくと、将来塗り替えなどをする際に合理的な工事依頼ができ、余分な出費を抑えることができますし、売却する際には家が高く売れやすくなります。
住宅履歴とは
住宅履歴とは、新築時の設計図、地盤調査報告書、リフォームの記録など、住宅に関する様々な情報を保存しておく仕組みのことです。
「いつ、誰が、どのように設計・施工したか」
「どんな建築材料を使っているか」
「どんな修繕・改修・リフォームを行ったか」
など、いわゆる家の履歴書のようなものです。
住宅履歴情報の整備は中古住宅の流通を促進する施策の一つとして国土交通省が進めているもので、すでに「長期優良住宅」の認定を受けた住宅は、住宅履歴の保存が義務づけられています。
また国土交通省では、不動産取引に必要な情報を集約して消費者に提供する「不動産総合データベース」の構築を目指し、2015年6月から横浜市で試行運用を行っているのですが、この施策の一環として、住宅履歴情報のストックシステムの試行運用も行われています。
不動産総合データーベースは2018年に全国での運用開始を目指しており、将来的には住宅履歴情報も使われることになりそうです。
住宅履歴の整備方法と費用
新たに住宅履歴を整備する場合、まず住宅に関するあらゆる書類や情報を集めていきます。
新築段階の場合
一戸建て
建築確認書類、住宅性能評価書、各種図面など
マンション
建築確認書類、各種図面、マンション管理組合の規約、長期修繕計画など
維持管理段階の場合
維持管理計画書、点検・診断の際の書類、改修やリフォームを行った際の書類・図面・写真など
こうして集めた情報をリフォーム業者や設計事務所などの住宅履歴情報サービス機関に渡し、電子データとして蓄積してもらいます。
住宅履歴情報サービス機関は、一般社団法人 住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会サイト(http://www.iekarute.or.jp/)で検索できます。
費用はサービス機関によってまちまちですが、年間1,000円~始められます。
なぜ住宅履歴を残しておくといいの?
リフォームする場合
安全に快適に暮らすために、外壁塗装や屋根塗装は約10年ごとに必要なメンテナンスです。
しかし「○○な劣化状況だったから、○○な下地調整をしてもらい、○○を強化するために、○○タイプの塗料を使った」など、10年前の工事内容を正確に覚えていることは難しいです。
もちろん業者からの見積書を残しておけば、塗料名などは後からでも分かりますが、劣化状況や下地調整内容の詳細までは記載されていません。
こうした建築材料、使われた塗料、工事内容を具体的に残しておくことで、次のメンテナンス時には業者も正しい診断を下すことができ、合理的で適切な処置を施すことができます。
そして、それは無駄な出費を防ぐことにもつながります。
売却する場合
中古住宅の購入を検討している買主にとっての不安要素といえば
「建物や設備の状況がわからない」
「耐震性がわからない」
仲介する不動産屋にとっても
「住宅状況が分からないので、適切な査定がしにくい」
「古い家は自信を持って売りにくい」
となり、市場価値よりも低く売却されてしまう恐れがあります。
しかし逆を言えば、こうした不安要素が解消された物件ならば、不動産屋も自信を持って売ってくれますし、買主も相場より多少高い金額であったとしても、気に入れば購入してくれます。
中古車を購入する際に整備点検記録を参考にするのと同様に、中古住宅を購入する時に住宅履歴があれば、買主は参考情報として購入の検討に役立てることができます。
いつかは家を売却しようと考えているなら、住宅履歴を残しておくことで
- 家の詳細な状況が分かる
- 家の安全性が証明される
ため、買主も購入しやすくなり、場合によっては相場よりも高く売却できることもあります。
住宅履歴を活用してくれる塗装リフォーム業者を探そう
住宅履歴を利用するには、対応できる塗装業者・リフォーム業者を探す必要があります。
残念ながら、こうした仕組みを知らない業者はたくさんいます。
また知っていても「面倒だからやりたくない」「積極的に施主には説明していない」という業者も多いです。
ぜひ僕たち施主の立場になって行動してくれる、誠実な業者をみつけていきましょう!