築年数の古い家を丸ごとフルリフォーム(全面リフォーム)すれば、隅々までピカピカになります。
しかし戸建てを全面リフォームするといっても、費用の相場など、詳細が分かりにくいのが現状です。
そこで、この記事では戸建てのフルリフォームの費用相場や期間、法的手続きや税金の優遇措置などをご紹介します。
戸建てのフルリフォームとは
フルリフォームとは、住まいを丸ごとリフォームする「全面改装プラン」を表します。
既存の基礎や柱、水道管、ガス管、電線などを活かせるため、フルリフォームは建て替えより安く済むことが特徴です。
戸建てのフルリフォームにかかる費用はいくらが相場?
フルリフォームにかかる費用は、リフォームを希望する戸建ての階数、リフォームをする箇所、新調する建材のグレード、依頼するリフォーム店により様々ですが、以下が相場です。
戸建ての種類 | 費用の目安 |
---|---|
平屋建て | 500~1,000万円 |
2階建て | 750~1,500万円 |
3階建て以上 | 1,000~2,000万円 |
平屋建ては床面積や部屋数が少ないため、安くなる傾向があります。
またリフォーム箇所を減らしたり、新たに導入する建材のグレードを抑えることにより、費用を安くすることができます。
戸建てのフルリフォームにかかる期間は?
戸建ての全面リフォームにかかる期間は、リフォームを希望する戸建ての階数や、リフォームをする箇所などにより変動しますが、以下が目安となります。
戸建ての種類 | リフォーム期間 |
---|---|
平屋建て | 1~2ヶ月程度 |
2階建て | 2~3ヶ月程度 |
3階建て以上 | 3~6ヶ月程度 |
リフォームは施工する箇所が多ければ多いほど、期間が長くなります。
そのため床面積や部屋数が少ない平屋建ては短期間で完了する傾向があります。
また総工費が安ければ安いほど、早く完了するという特徴があるため、下表のように総工費でリフォーム期間の目安を把握しておく方法もあります。
総工費 | リフォーム期間 |
---|---|
500万円 | 1~2ヶ月程度 |
750~1,500万円 | 2~3ヶ月程度 |
1,000~2,000万円 | 3~6ヶ月程度 |
住みながら全面リフォームはできる?
リフォームの規模が大きければ大きいほど、住みながらのリフォームは難しくなります。
たとえば水回り(キッチン・お風呂・トイレなど)を中心とした大規模な全面リフォームを希望の場合は、施工中はそれらの設備が使えなくなるため、住みつつリフォームをすることは現実的に難しいです。
ただし住みながらリフォームをすることを前提としたプランを提案してくれるリフォーム店もあります。
住みながらのリフォームを希望する場合は、その旨を伝えつつ、リフォーム店を探してみてください。
住みながらのリフォームができない場合は、ウィークリーマンションなど、仮住まいを探す必要があります。
仮住まいへの引っ越しをサポートしたり、リフォーム中は大型家具を保管したりというサービスを用意している大手リフォーム店もあります。
戸建てを全面リフォームする時の注意点
1)行政への手続き
リフォームといえば役所への届け出は不要というイメージがありますが、増築工事や、複数の耐力壁(筋交いが入っている壁)の撤去などを含めた、大規模なリフォームを行う場合は、新築を建てるときと同じく、役所に建築確認申請書を提出したり、法務局への登記申請が必要です。
ただし「増築工事を伴わない」全面リフォームの場合は、これらの届け出は不要です。
建築確認申請には、建物の図面や詳細などを記載した書類を添付する必要があり、法務局での登記申請も複雑なものとなります。
これらの手続きはリフォーム店に代行してもらえますが、建築士や司法書士などが手続きを行うため、数万円〜十数万円程度の費用が必要です。
2)リフォーム控除(減税)
増築工事を含めた全面リフォームを行い、戸建ての面積が増えた場合は、増えた面積に応じた不動産取得税が課税されたり、固定資産税や都市計画税が高くなったりすることもあります。
ただし一定の条件を満たした場合、リフォームでも控除(減税)が適用されます。
特にフルリフォーム費用は決して安いものではないので、利用できる制度は上手に使って、少しでもお得にリフォームをしてください。
所得税の控除
ローン利用「なし」の場合
一定の条件を満たしたつつ、以下の内容を含んだ全面リフォームを行った場合は、リフォームが完了した年の所得税額が控除(減税)されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
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耐震リフォーム | 25万円 |
バリアフリーリフォーム | 20万円 |
省エネリフォーム | 25万円 (太陽光発電設備を併設した場合は35万円) |
同居対応リフォーム | 25万円 |
「5年以上のローンを利用」する場合
以下の内容を含んだ全面リフォームを、返済期間が5年以上のローンを利用して行った場合は、5年間に渡り、所得税額が控除(減税)されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
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バリアフリーリフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
省エネリフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
同居対応リフォーム | 毎年12万5000円×5年間 |
「10年以上のローンを利用」する場合
全面リフォームか否かにかかわらず、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用して、総工事費100万円以上のリフォームを行った場合は、10年間に渡り、住宅ローンの年末残高の1%が所得税額から控除されます。
リフォーム内容 | 控除額上限 |
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リフォーム | 毎年40万円×10年間 |
固定資産税の減額
さらに耐震リフォームやバリアフリーリフォーム、省エネリフォームを含めた、全面リフォームを行った際は、リフォームを行った翌年の固定資産税が減税される制度も設けられています。
戸建てのフルリフォーム業者の選び方
リフォーム業者と一口に言っても、各社とも得意分野が分かれています。
またフルリフォームの場合、万が一に備え、保証内容や瑕疵保険の対応の有無も確認が欠かせません。
まずは戸建てのフルリフォームの実績が豊富な会社なのかどうかを確認しましょう。
戸建ての全面リフォームの経験が豊富な会社は、工事に慣れているだけでなく、メーカーとの取引量も多いため、安価にキッチン・トイレ・浴室・窓などを仕入れてもらうことも可能です。
あなたはどんな家に住みたいですか?