リフォーム完成までにやるべきことは色々ありますが、いつ、どのタイミングで、何をすればいいのか、困惑してしまうことがあります。
そこで、この記事ではリフォームの流れ・手順をまとめました。
リフォーム完成までの流れ・手順
この記事では、次の3つのケースに分けて整理しました。
ローンを組んで中古物件を購入しリフォームする方
→3項目すべてを確認
持ち家を貯蓄資金でリフォームする方
→リフォームの項目だけを確認
と、必要に応じてあなたに関係する項目を確認していただくと分かりやすいと思います。
リフォーム完成までの流れ・手順 | |||
流れ | 物件購入 | リフォーム | ローン |
---|---|---|---|
1 | 資金計画を立てる | ||
2 | リフォーム業者を選びはじめる | ||
3 | 中古物件を探す | ||
4 | 物件を下見して決める | 業者を決めて、プランを打ち合わせる | |
5 | 物件購入の申し込みをする | 住宅ローンの事前審査を申し込む | |
6 | 不動産売買契約を結ぶ | ||
7 | 設計契約・工事請負を交わす | ||
8 | 住宅ローンを申し込む | ||
9 | 住宅ローンの契約をする | ||
10 | 物件引き渡し | ローン実行・残金決済 | |
11 | 近隣への挨拶や管理組合への届け出をする | ||
12 | 工事着工 | ||
13 | 完成・引き渡し | ||
14 | 引越し・入居 |
中古住宅を購入する流れ
1:中古住宅を探す
「おしゃれな店が多い都心に住みたい」
「通勤に便利な場所がいい」
「近所に大きな公園がある治安の良い住宅地で子供をのびのび育てたい」
など、まずは「住みたいエリア」「住環境として何を大切にしたいのか」を決めます。
新築では手が出せないエリアでも、中古なら購入検討の範囲内になることもあります。
住みたいエリアが決まったら、物件探しを始めます。
不動産屋に相談する際には「リフォームを前提にしていること」と「予算」をあらかじめ伝えておくと、条件にあった物件が出た時に連絡をもらいやすいです。
2:物件を下見する
気になる物件があったら、不動産屋と下見に行きます。
家の中だけでなく、外壁や屋根など外まわりの状況、耐震基準、過去のリフォーム履歴なども確認していきましょう。
下見の際は不動産屋だけでなく、リフォーム担当者にも同行してもらい、
「希望するリフォームは実現できるか?」
「修繕や補強にいくらかかるか?」
など、構造的な制約や建物の状況を確認してもらうとスムーズに物件探しができます。
3:物件購入の申し込みをする
購入したい物件が決まったら、購入希望価格や条件などが記された「不動産購入申込書」を売主に提出します。
不動産購入申込書の内容をもとに、不動産屋が価格や引き渡し時期などを売主と交渉してくれます。
この段階では、あくまでも購入の意思を伝えるだけなので、「(もっと良い物件をみつけたので)やめたい」と撤回することもできますし、その際にキャンセル料などは発生しません。
4:不動産売買契約を結ぶ
ローンの事前審査が通り、購入価格をはじめ諸条件であなたと売主の双方で合意がとれたら、いよいよ不動産売買契約を結びます。
まずは「重要事項説明書」の読み合わせがあります。
正式な不動産売買契約を結ぶ前に、物件に関する重要な事項を宅地建物取引が口頭で説明することが決められています。
重要事項というだけあり、権利関係(抵当権など)や土地の利用制限などが沢山盛り込まれています。
読み合わせは契約日と同日に行われることが一般的です。
また契約日には手付金(購入価格の10%が目安)や仲介手数料(50%が目安)の支払いも行いますので、計画的にお金を用意しておく必要があります。
その他、住宅ローンを利用する場合は、契約書に「住宅ローン特約」が記載されているかも確認してください。
住宅ローン特約とは、売買契約後に予定していたローンの審査が万が一通らなかった場合には、契約を白紙にできる期限を決めたものです。
なお住宅ローン特約には「解除条件型」と「解除保留型」があります。
解除条件型
設定した期限内に融資審査が通らなければ、自動的に解除になるもの
解除保留型
設定した期限内に融資審査が通らなければ、その旨を売主に通知して、契約を白紙にするもの
解除保留型は伝え忘れによるトラブルも多いので、解除条件型になっているか、万が一に備えて必ず確認してください。
5:物件の引き渡し
物件の引き渡し日には、次の4つを同時に行います。
- 購入代金の支払い(手付金を差し引いた残りの額)
- 仲介手数料の支払い(残金)
- 固定資産税・都市計画税・管理費等の精算
- 所有権の移転
買主であるあなたが住宅ローンを組む銀行の応接室などに、あなた・売主・双方の不動産屋・司法書士が一同に会し、諸手続きを行います。
そして鍵を売主から受け取り、物件購入は完了です。
リフォームをする
1:リフォーム業者を選ぶ
まずはどんな家に住みたいのかイメージを膨らませます。
「家族が自然と集まるよう、明るく開放的なリビングが欲しい」
「夫婦それぞれの趣味に没頭できる個室が欲しい」
「家事をしながらでも、まだ小さな我が子を見守れるような造りにしたい」
「モダンな北欧スタイルにしたい」
「床暖房がほしい」
「ゆったり足をのばせるお風呂場がほしい」
など希望をリストアップし、カタログを集めたり、実際にショールームに行き、予算と照らし合わせながら優先準備をつけていきます。
なおリフォーム依頼先は、工務店、リフォーム専門業者、大手メーカー、設計事務所など幅広く、どこを選ぶかで「提案力」や「価格」が大きく変わってきます。
そのため施工事例、価格の明瞭さ、リフォーム瑕疵保険に対応しているかなど総合的に判断していきます。
あらかじめ厳選されたリフォーム業者から、一括でまとめて見積もりを取り寄せられる便利な無料サイトもあるので、上手く活用していきましょう。
2:リフォーム業者を決定し、プランを打ち合わせる
依頼したいリフォーム業者が決まったら、
- 間取り
- インテリア
- 設備機器
の3つを中心に希望を伝えてリフォームプランを作ってもらいます。
要望はできるだけ具体的に、雑誌の切り抜きやカタログなどを見せながら伝えることで、イメージのズレを防ぐことができます。
ある程度プランが固まったら正式な見積もりを出してもらい、リフォーム予算の調整を進めていきます。
3:設計契約・工事請負契約を交わす
最終的なリフォームプランと見積もりが確定したら、いよいよ「工事請負契約」を交わします。
この時点で
- 設計者に支払う設計料(建築設計監理業務委託料の10~30%が目安)
- 工事会社に支払う工事費(工事請負代金の30~50%が目安)
を支払う必要があるので、計画的にお金を用意しておく必要があります。
設計料や工事費は工事着工時や竣工時など数回に分けて払うケースが多いので、支払いのタイミングと金額を事前に確認しておくと安心です。
支払い時にローンが実行されるかどうかも大切な確認ポイントです。
4:近隣への挨拶や管理組合への届け出をする
たとえ工期の短いリフォームだとしても、資材搬入時のトラックの往来や工事の騒音は少なからずご近所に迷惑をかけます。
いざ入居する際にご近所トラブルに発展しないよう、事前にリフォーム業者と挨拶にいっておきます。
マンションなら両隣と上下階、一戸建てなら両隣と前後のお宅に挨拶をしておけば大丈夫です。
なおマンションの場合は管理組合に届け出を提出し、エレベーターや共有廊下の使用を了承してもらう必要があります。
5:リフォーム工事着工
(物件の引き渡しが終わり)いよいよリフォーム工事が始まります。
工事着工時に建築設計監理業務委託料の40~70%ほど支払うケースは多いので、契約時の支払い条件を確認の上、必要な資金を用意しておきます。
なおリフォーム工事の場合、解体後に修繕が必要な個所がみつかる場合もあります。
追加工事が発生することになるので、「追加工事費用」「工期の延長期間予定」を確認のうえ書面に残し、トラブルを予防しましょう。
6:リフォーム完成・引き渡し
リフォーム工事が終わったら、竣工検査が行われます。
図面どおりの完成になっているかどうか、設計者や施工会社の立ち合いのもと、最終確認をします。
不具合があれば工事費を精算する前に手直しを依頼しましょう。
新しく導入した設備機器の使い方・メンテナンス・定期点検なども確認し、設備機器の保証書も忘れずにもらっておいてください。
リフォーム瑕疵保険に加入している業者に依頼している場合には、リフォーム工事中および完了時に第三者である建築士が検査してくれます。
もしこの検査で不備が発見された場合には是正が必要になるので、欠陥工事の可能性が低くなります。
こうしてリフォーム工事が無事に完成したら、建築設計監理業務委託料と工事請負代金の残金の支払いをします。
7:引越し・入居
ついに新居に引越しです!
引越し準備に片づけにと忙しいとは思いますが、
- 引越し費用
- 新しい家具の購入費
- 不動産取得税
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
などの支払いがあることも忘れずに。
新しく導入した設備機器に初期不良がみられる場合には、アフターサービスとして無料点検してくれる業者もいます。
ローンを利用する
1:資金計画を立てる
まずはリフォーム予算を算出します。
ローンを予定している方は
- 住宅購入のみのローンを組む
- 住宅購入とリフォームを別々のローンで組む
- 住宅購入とリフォームを合算してローンを組む
どれにするのか検討が必要です。
金融機関によって金利や審査の難易度も変わってきますので、いざとなってから慌てないよう金融機関も目星をつけておくと良いです。
まずは普段利用している銀行からあたってみてください。
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»リフォームローンの比較
2:住宅ローンの事前審査を申し込む
ローンを利用する場合、まずは金融機関による事前審査を受けます。
事前審査では
- 申込者の支払い能力
- 信用度
- 融資可能額
がチェックされます。
不動産購入申込書を提出したら、事前審査を申し込みます。
- 事前審査申込書
- 所得証明書類
- 本人確認書類
などの提出が必要です。
住宅購入とリフォームを合算してローンを組む場合にはリフォーム工事見積書の提出も必要になりますので、リフォームプランもある程度固めておきます。
3:住宅ローンを申し込む
事前審査を通過したら、ローンを受ける金融機関を決めて本審査を申し込みます。
金融機関により必要な書類が異なりますので、事前確認をして揃えていきます。
住宅購入とリフォームを合算してローンを組む場合、工事請負契約書のコピーまたは確定した見積書も必要です。
別途リフォームローンを借りる場合も、リフォーム工事着工前までに申し込みを済ませておきます。
4:住宅ローンの契約をする
本審査を無事に通過したら、ローンの対象となる住宅の抵当権を設定し、金融機関と金銭消費賃借契約を結びます。
これでローンが無事に実行されることになります。
なお銀行ローンを利用する場合、ローン契約日に物件の引き渡し(抵当権の設定・所有権移転登記・残金決済など)を同時に行うケースが一般的です。