実は、一定の要件を満たすと、バリアフリーリフォームでも確定申告・年末調整の際に控除(減税)を受けることができます。
せっかくの制度を利用しないのはもったいない!
この記事では、バリアフリーリフォームの減税制度について分かりやすく解説していきますので、ぜひ活用してください。
バリアフリーリフォーム減税とは
バリアフリーリフォーム減税とは、あなたが暮らしている家をバリアフリーリフォーム(高齢者等居住改修工事等)した場合に、一定の要件をクリアすると、一定の金額がその年分の所得税額から控除されるものです。
なお
- ローンを利用する場合に適用できるものを「ローン型減税」
- ローンの利用有無にかかわらず利用できるものを「投資型減税」
と呼びます。
バリアフリーリフォーム減税には「ローン型減税」と「投資型減税」の両制度が用意されていますが、
この記事では、リフォームのためのローン等の利用がなくても適用される「バリアフリーリフォーム減税(投資型減税)」についてご紹介します。
もしバリアフリーリフォームのためにローン等を利用していて、
の適用要件も満たしている場合は、どれか1つを選択し、控除を受けることができます。
バリアフリーリフォーム減税の対象となるバリアフリー工事
バリアフリーリフォーム減税を受けるには、次のいずれかに該当するバリアフリーリフォームであることが必要です。
高齢者等の生活のしやすさはもちろんのこと、介助のしやすさもポイントとなっています。
対象となる工事 | |
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1.通路等の拡幅 | 5.手すりの取り付け |
2.階段の勾配の緩和 | 6.段差の解消 |
3.浴室改良 | 7.出入り口の戸の改良 |
4.トイレ改良 | 8.滑りにくい床材料への取り替え |
- 車椅子での移動をラクにするために通路や出入口の幅を拡張する工事
- 階段の勾配を緩和する工事
- 浴室を改良する工事
- 浴室の床面積を増加させる工事
- 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
- 浴室の出入りを容易にする設備を設置する工事(固定式の移動台など)
- 水栓器具の設置や取り替える工事
- トイレを改良する工事
- 便所の床面積を増加させる工事
- 便器を座便式のものに取り替える工事
- 座便式の便器の座高を高くする工事
- 手すりを取り付ける工事
- 床の段差を解消する工事
- 出入口の戸を改良する工事
- 開戸を引戸や折戸等に取り替える工事
- 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
- 戸に開閉を容易にする器具を設置する工事
- 滑りにくい床材に取り替える工事
バリアフリーリフォーム減税(投資型減税)の適用要件
バリアフリーリフォーム減税の適用を受けるためには、以下のような要件を満たしている必要があります。
- 個人が所有する家屋で、平成21年4月1日から平成33年(2021年)12月31日までの間に居住すること
- バリアフリー改修工事日から6か月以内に入居すること
- バリアフリー改修工事を行う者が、次のいずれかに該当する個人であること
- 50歳以上の者
- 要介護または要支援の認定を受けている者(A)
- 障害者(B)
- 65歳以上の親族またはAもしくはBに該当する親族のいずれかと同居している者
- バリアフリーリフォーム費用が50万円を超えること
- 工事後の住宅の床面積が50㎡以上であること
<参考>国税庁:バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1220.htm
年齢および同居の判定は、居住年の12月31日(年の途中で死亡した場合には死亡の時)の現況によります。
なお、ここでの注意点は床面積です。
床面積は「登記簿」に表示されている床面積により判断され、販売資料や売買契約書に記載された床面積とは異なります。
面積の算出基準の違いによるものですが、総じて登記簿の床面積の方が小さくなりがちです。
心配な場合には、登記簿の床面積を事前確認しておくことをおすすめします。
バリアフリーリフォーム減税(投資型減税)の控除期間と控除額
バリアフリーリフォーム減税の控除期間は1年間。
バリアフリー改修工事の標準的な費用の額×10%が、バリアフリーリフォームを行った年分の所得税額から控除されます。
工事費用の合計額は200万円が限度です。
なので200万円×10%=20万円ということで、最大20万円が控除されます。
「バリアフリー改修工事の標準的な費用の額」は「増改築等工事証明書」で確認することができます。
バリアフリーリフォーム減税(投資型減税)を受けるための手続き
バリアフリーリフォーム減税の適用を受けるためには、確定申告の際に以下の書類を用意して申請する必要があります。
- 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書
- 増改築等工事証明書
- 登記事項証明書など(家屋の床面積が50㎡以上であることを証明する書類)
- 介護保険の被保険者証の写し
- 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
増改築等工事証明書は、リフォーム業者に依頼すれば発行してもらえます。
手続きに欠かせない書類なので、忘れずにもらっておきましょう。