外壁塗装業者を選ぶ際に見かける「外壁診断士」についてまとめてみました。
外壁診断士とは
外壁診断士とは、一般社団法人 全国住宅外壁診断士協会の認定資格(http://jod.bizto.biz/)のことです。
3階建て以下の一般住宅を対象に、より耐久性と安全性が高い外壁を依頼者に提供するため、外壁の性能と課題に対する専門的な知識を習得していて、外壁の劣化診断・安全評価を行うとともに、依頼者に公正なアドバイスや提案ができる外壁のプロフェッショナルといえます。
これまでは屋根に関する技術研究は数多くありましたが、外壁に関する技術研究はやや出遅れている感がありました。
そこで木造住宅に求められる構造性能、耐火性能、耐久性能、快適性能、経済性能の5つを実現し、さらに平成21年6月より施行された国土交通省の「長期優良住宅支援制度」の後押しもあり、優れた性能で長持ちする外壁をつくるために、外壁の諸性能を理解した外壁診断士が求められるようになったのです。
外壁診断士の受検資格は実務経験5年以上で、営業(住宅関連事業)、塗装業、左官業、板金業、建材販売業、不動産管理業、住宅リフォーム業、建設業、エクステリア業、その他当協会が関連業に携わると認めた方となっています。
資格の有効期限は5年間で、継続的に知識や理論の習得のために、更新年度に開催する講習を受講することが条件になります。
外壁診断士は「経験」重視の資格といえます。
外装劣化診断士とは
類似資格として、一般社団法人 住宅保全推進協会(http://jutaku.shiminkouza.or.jp/)の外装劣化診断士というのもあります。
外装劣化診断士の受検資格は実務経験3年以上となっており、外壁診断士ほど経験は求められていません。
代わりに外壁だけでなく、屋根や関連法規(建築基準法、品確法、瑕疵担保履行法、長期優良住宅法、特商法、消費者保護法、労働安全衛生法)も試験内容に含まれています。
よって外装劣化診断士は「知識」重視の資格といえます。
診断方法
外壁の劣化状況は、カメラやビデオで撮影しながら診断士が細かくチェックしていきます。
建物の一部だけでなく全体的な状況を把握することで、より正確な診断結果を出せるので、具体的な外壁リフォーム計画に役立ちます。
このカメラですが、普通のデジカメではなく、赤外線カメラのような高性能カメラを使う診断士も多いです。
高性能カメラを使うことで、外壁内部に水が溜まっていないかなど、目に見えない部分の劣化状況も見つけることができるのです。
撮影した画像や動画は、診断後、報告書と一緒にもらえることがほとんどです。
なぜ外壁塗装をするのに診断が必要なのか
外壁リフォームであれ、屋根リフォームであれ、家の状態を把握しないと良い所も悪い所もわかりません。
「事前調査に来ない」
「屋根に上がらずに下から見るだけのチェック」
そんな業者には注意が必要ですし、中には外壁や屋根に関する知識のない営業担当者が診断をする業者もいます。
紫外線や雨風に一年中さらされている外壁や屋根。
経年劣化により塗膜が劣化すると、雨漏りの原因にもなります。
目に見える形で雨漏りに気づいた時にはすでに重症化していることが多く、工事費用もその分かさんでしまいます。
家も病気と同じように早期発見・早期治療が重要です。
「隠れている劣化部分はないか」
「補修内容的にも、費用的にも、最適な方法は何なのか」
外壁診断士や外装劣化診断士の資格を保有するスタッフが事前調査してくれるのかどうかも、塗装業者を選ぶ際の判断基準の一つといえます。