外壁塗装にかかる費用で意外と大きな割合を占めているのが、足場代です。
足場代の相場は1㎡あたり700円〜1,000円となり、 一般的な30坪ほどの家で15~20万円程度します。
そうなると、少しでも節約するために「足場なしで塗装工事はできないの?」と思いませんか?
そこで、この記事では「無足場工法」のメリット・デメリットについてお伝えします。
無足場工法とは
無足場工法とは、足場を作らない工事方法のことです。
無足場工法では屋上から吊るされるロープブランコやゴンドラに乗り、熟練の職人さんが作業することで、足場の組み立て作業および解体作業を省略することができます。
したがって無足場工法の最大のメリットは、工事期間の短縮とコストの大幅削減ができることです。
ただ無足場工法は不安定な空中での作業になるので、職人技となります。
まだまだ足場を組んだ施工が一般的で、無足場工法は業者の中でも技術的な差があるため、業者選びが重要となります。
無足場工法のメリット
費用の削減と工期の短縮ができる
足場の組み立て作業と解体作業がない分、コストを大幅に抑えることができますし、工事期間も短縮できます。
住人にかかるストレスが少ない
工事期間中ずっと窓がシートで覆われたり、窓の前に鉄パイプがついたりしないため、圧迫感や暗さは最小限で済みます。
そのため工事期間中も住み心地が比較的良いです。
防犯性が高い
足場がある場合、それを利用した空き巣や覗きなどに狙われる被害が報告されています。
その点、無足場であれば、その日の作業が終われば平常時の状態に戻るため、防犯面での心配がありません。
一括施工の必要がない
基本的に塗装工事を頼む際は、外壁だけでなく、屋根・雨戸・ベランダ・雨樋・破風・軒天などもまとめて依頼する「一括施工」がおすすめです。
なぜなら足場代は安いわけではないので、同じ頼むなら一気にまとめて塗り替えたり防水加工したりする方が、足場代が一度で済むからです。
しかし無足場工法なら足場代がかからないので、その時の予算や工事可能期間に応じて「今回はここだけ塗り替えよう」という選択もできます。
無足場工法のデメリット
施工管理が難しい
足場があれば、その足場をわたって作業箇所を確認できます。
しかし無足場工法だと作業箇所の目の前に行って確認できないので、塗り残しがないかなど、現場をきちんと管理できる人が必要です。
信頼できる業者でないと手抜き工事される恐れがあります。
仕上がりは職人さんの腕次第
作業は空中でロープにぶら下がって行われるので、大変不安定な状態での塗装工事となります。
そのため、ぶら下がった状態でも、ムラなく、塗り残しもなく、しっかりと塗り替えをしてくれる腕のある職人さんが必要となります。
場合によっては、この技術料の対価が塗装作業費に加えられます。
建物によっては施工できない場合もある
無足場工法は屋上でロープを固定するため、屋上に上がれない建物の場合は施工できません。
また屋上から職人さんがブランコでぶら下がる形になるので、特殊な形状の建物、たとえば丸い建物や、庇(ひさし)が突き出した形、三角形の瓦屋根の建物の場合は施工が難しいです。
無足場工法のまとめ
以上より、無足場工法は料金の大幅削減という魅力がある一方、作業管理が難しいのと、職人さんの腕によって仕上がりが大きく変わってきます。
そのため無足場工法に興味がある場合は、業者選びを慎重に行い、信頼性と実績を見極める必要があります。