トタン屋根の塗装におすすめの塗料といえば、錆止め効果のある塗料は外せません。
そこで、この記事では錆止め塗料の特徴や選び方についてお伝えします。
錆止め塗料の特徴
鉄は水や酸素に触れると錆(酸化鉄)へと変化します。
つまりトタン屋根を錆びさせないためには、できる限り水や酸素と触れさせなければいいんです。
その点から考えると、どの塗料を使っても塗膜が金属の表面と空気中の水分が直接接触することを防ぐので、多少は錆の進行を妨げることができます。
しかし塗膜自体が水や空気を通すので、錆を完全に抑えることはできません。
そこで開発されているのが錆止め塗料です。
錆止め塗料の原理を整理すると
- 塗膜により鉄の表面を酸素や水分と遮断する
- 電気抵抗の大きい被膜を作り、腐食電流の流れを抑えてイオン化を防ぐ
- 鉄面をアルカリ性にする
- 鉄面を不動態化して、腐食電流の発生を抑える
錆止め塗料の選び方
可能な限り酸素や水分と触れさせないことが肝心なので、錆止め塗料は耐水性に優れていることはもちろんのこと、付着性が良好で、塗りムラやピンホール(小さな穴)の発生が少ないものを選びます。
塗り替え時は事前にケレン作業(錆や旧塗膜を除去すること)が必須ですが、現場の作業状況を考えれば電気工具を取り入れるような完璧な錆落としは困難なので、これを補うためにも、重要な部分には多少高価であっても高性能な錆止め塗料を使うべきです。
一般的な錆止め塗料を使っても、その表面の凸凹の箇所は隙間ができているため、塗膜を透過した水分がたまり錆を再膨張させてしまう恐れがあります。
そこで浸透性の錆止め塗料を使うと、素地の中に深く浸透することにより前述のような隙間を作らないので、錆を抑え込むことができます。
住宅の塗り替えについては、浸透性の変形エポキシ系錆止め塗料がおすすめです。
なお平成12年5月に循環型社会形成推進基本法のひとつとして「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定されました。
グリーン購入法は、公的機関が率先して環境負荷低減に資する製品・サービスの調達を推進するために制定されたものです。
塗料については「鉛またはクロムを含む顔料が配合されていないもの」を使うよう定められています。
錆止め塗料には鉛化合物やクロム酸を含有しているものが多かったのですが、この考え方が民間工事にも広がり、無鉛・クロムフリーの機能型塗料が人気となっています。