現場管理費とは
外壁塗装や屋根塗装の見積書をみると「現場管理費」という項目があります。
「これって業者の利益分?」と思われるかもしれませんが、簡単に言うと「現場管理者の給料」になります。
業者によっては現場管理費を「一般管理費」とセットで記載しているところもあります。
現場管理者とは
現場管理者とは、工期内に塗装工事を完成させるべく、各職人さんたちをタイミングよく現場に入れて適切な指示を出していく人です。
現場管理者の主な業務内容は次の3つになります。
- 作業管理
- 安全管理
- 品質管理
1)作業管理
事前準備
事前に決められた工期内に塗り替え作業を終わらせることは、業者が守るべきことの一つです。
特に住居の場合はその場で生活している家族がいるので、できる限り短い工期が求められます。
効率よく作業を進めるためには事前準備が欠かせません。
塗装仕様の確認
外壁や屋根の他に、軒天・破風・バルコニー・雨樋など小さい塗装部分もあります。
材料や劣化具合によっては、塗装するよりも交換した方がいいこともあるので、一つ一つ塗装範囲を細かく確認していきます。
塗料の準備
契約書に書かれているシーラー(下塗り塗料)、仕上げ塗料(上塗り塗料)、硬化剤、溶剤であるか、銘柄を確認していきます。合わせて配合比率等も確認していきます。
養生の事前確認
丁寧に養生していないと、塗装をしない箇所に塗料を付着させ、仕上がり不良を起こしてしまいます。
玄関や窓のような開口部だけでなく、塗装付近の車、自転車、植木等についても目配りしていきます。
塗装作業の管理
家を紫外線や雨風から「保護」するという外壁塗装・屋根塗装の目的を達成するためには、適切な仕様で適切な条件のもと塗料を硬化させる必要があります。
塗布量の管理
設計された塗膜の性能を発揮させるためには、まず定められた塗膜の厚さを確保しなければなりません。
メーカーの塗装仕様書に指示された塗布量と塗り回数を厳守することが重要です。
手抜き工事や仕上がり不良を起こす原因の一つには、塗布量の少なさがあります。
乾燥時間の管理
下地が乾燥不良のまま次の塗料を重ね塗りしてしまうと、ちぢみ、艶ムラ、膨れ、剥離など「仕上がり不良」が発生してしまいます。
天候の変化に合わせた管理
気温や湿度などの気象条件によって乾燥時間に影響が出てくるので、雨や雪が降った翌日などは臨機応変に対応することが必要となります。
工事の進捗管理
職人さんたちに適切な指示を出しつつ、事前に決められた工期を守るよう最大限の努力をすることが求められます。
仕上がり検査
塗装作業が終了し、塗料がほぼ乾燥した時点で、依頼主立ち合いのもと仕上がりの確認を行います。
塗り残し、色ムラ、キズ、汚れ等ないか確認したうえで、「塗装工事施工報告書」を作成して依頼主に施工結果を報告します。
整理整頓・規律
塗装作業現場の近所の目もあるので、見苦しいと思われないようにする必要があります。
- 塗料や工具などはコンパクトにまとめ通路を確保
- 気持ちの良い挨拶
- 休憩時間のタバコや空き缶が捨てられていないか
- 毎日の作業後の後片付け
- 工具類の手入れ
- 塗料の残量管理
2)安全管理
塗装工事現場では依頼主が生活していますし、職人は隣家と近接した高所で必ずしも安全無害とはいえない化学物質を取り扱うので、安全対策を怠るわけにはいきません。
塗料の取り扱い
- 有機溶剤中毒の防止
- 廃棄物の処理および清掃
足場の管理
- 足元の安定化
- 足場強度の確保
- 作業性の確保
安全用具の正しい使用
- ヘルメット
- 安全帯
- 防毒マスク
- 保護メガネ
3)品質管理・品質保証
塗料の耐用年数や性能をきちんと発揮させ、仕上がり不良によるトラブルを起こさないためには
- ケレン作業や下地の洗浄化等の下地調整を適切に行う
- 素地に適した下塗り塗料・上塗り塗料の組み合わせを選択する
- 刷毛、ローラー、スプレーガン等からの水、油、ごみ等の混入を防ぐ
- 低温、高湿度を避け、適切な環境下で作業をする
などが求められます。
以上、現場管理者の役割についてお伝えしました。
社長自身が現場管理者という業者も多いので、塗装工事中に何か疑問点があったら、現場管理者の方に質問すると的確な回答が得られやすいです。