外壁や屋根の美観を損なう原因の1つに、コケ・カビ・藻などの微生物がいます。
これら微生物は日本のような高温多湿の環境下ではすくすくと成長するので、外壁を緑色や黒色で汚していき、著しく家の美観を損ないます。
「みっともない」家にならないよう、この記事では外壁についたコケ・カビ・藻の落とし方や対策についてお伝えします。
コケ・カビ・藻が発生しやすい家
栄養源、水、酸素、適度な温度があれば、コケ・カビ・藻は胞子から菌糸を伸ばしつつ枝分かれしていきます。
たとえば自然界のカビは約45,000種類あり、そのうち50種類のカビが家に付くといわれています。
住宅にかかわる主なカビには次のようカビがあります。
- 黒カビ(クラドスポリウム)
- 青カビ(ペニシリウム)
- ススカビ(アルテルナリア)
- ケカビ(ムコール)
- 黒色酵母菌(オーレオバシディウム)
カビは家の外観を損なうだけでなく、花粉と同じように胞子状になって空気中に浮遊し、体内に入った場合はアレルギー鼻炎を発生させることもあります。
高温多湿という日本の気象条件はコケ・カビ・藻にとって適しており、日本中の家でコケなどは発生しやすいのですが、特に次のような家は発生しやすいです。
- 防水効果がほぼない塗料で外壁を塗っている
- 塗りが薄く、塗料に設定されている防水効果が発揮されていない
- 屋根や外壁のひび割れから雨が内部に侵入しており、モルタルや木材が長期にわたり湿気っている
- 庇が短く、外壁に雨や雪が当たりやすい
北側の壁のように特に風通しが悪い壁に付着した場合は、付着した材料や付近にある樹木などを栄養源にしてコケ・カビ・藻は繁殖してしまいます。
コケ・カビ・藻が何度でも外壁に復活する理由
コケ・カビ・藻にとって、高温多湿の日本の気象条件は最適。
せっかく対策をしてコケ・カビ・藻を落としても、気づいたらまた発生してしまいます。
- 梅雨~夏にかけて猛繁殖
- 秋冬になると気温が低下し空気も乾燥するので菌は死滅するが、外壁を黒ずませる
- 菌は空気中のチリ等あらゆる有機物を栄養源とするので、前年に死滅した死骸も栄養となる
- 空気中のチリや死骸もエサにして、翌年また繁殖…を繰り返す
外壁についたコケ・カビ・藻の対策
菌は粘着物質を分泌して付着し、さらには小さな穴に菌糸を侵入させるので、表面を洗っても簡単には除去できません。
住宅の外装材の塗装面について考えると、表現がザラついている外壁には付着しやすいです。
特にセメント系素地の場合、施工直後はアルカリ性が強いのでカビは繁殖しませんが、放置しているとpH値が下がって繁殖することに。
おすすめの対策としては
- 高圧洗浄機で吹き飛ばす
- 防カビ剤や防カビ剤が添付されている塗料で塗り直しをする
高圧洗浄機を使って汚れを完全に洗い落とし、防カビ剤を塗布するとともに、表面が平滑で、艶をもたせ、汚れをつきにくくした防カビ剤入りの塗料を塗るのがおすすめです。
最近の塗り替え塗料の多くには防カビ剤が添付されているので、選択肢が幅広く選びやすいです。
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